「傷がつかない」って、本当?
ガラスコーティングというと「9Hの硬度で塗装を守る」なんて言葉をよく見かけます。(9Hが鉛筆高度の最大値です)
確かに9Hという数値は硬そうに感じますが、現実的にはそこまでの“絶対的な保護力”があるわけではありません。
以下にモース硬度と鉛筆高度の換算表を載せておきます。

黄砂や時には花粉の殻も、コーティングより硬いことがあります。
汚れた状態でボディを擦れば、塗装ごと傷つくこともあるのです。
飛び石に関しても、数ミクロンの薄い被膜では物理的な衝撃を防ぐことはできません。
ただし、コーティングによって滑り性が高まり、砂や埃が流れやすくなる・洗車時に落ちやすくなるという点は確かなメリットです。
これにより、“傷がつきにくい状態を保つ”ための環境が整うのです。
これを知っておくことで、ガラスコーティングに“硬さ”を求めるか、“別の性質”を重視するかを見極めやすくなります。
後日、コーティング硬度によるメリット・デメリットについてもコラムを作りたいと思います。
紫外線に対する効果は?
完全遮断はできませんが、紫外線による酸化劣化は明らかに遅らせる効果があります。
特にソリッドカラーのような色あせが起きやすい塗装では、コーティングの有無で経年の印象に差が出ます。
長く乗りたい、色をきれいに保ちたい方には、この「劣化を遅らせる」という効果は十分価値があるはずです。
鳥フン・花粉・雨染みへの耐性は?
鳥フンや花粉を“防ぐ”ことはできません。
ですが、滑り性があることで雨風で流れやすくなり、短期間の付着であれば塗装ダメージを防ぎやすくなります。
ただしこれは「放置しても安心」という意味ではありません。
特に鳥フンは、付着したら1日でも早く落とすのが鉄則。
洗車でなくても、濡れたティッシュで拭き取るだけでも違います。
また、雨染みに関してはコーティング剤の種類によって、左右されます。
付きにくいものもあれば、逆に付きやすくなるものもあるため、自分の保管環境に合った製品選びが大切です。
じゃあ、コーティングの本当の価値って?
ガラスコーティングは“塗装を完全に守るバリア”ではありません。
でも、さまざまな劣化を遅らせるという点で、確かな役割を持っています。
- 洗車時の摩擦が軽減される → 洗車傷が減る
- 汚れが落ちやすくなる → 洗車が楽になる
- 艶が出る → 見た目の満足感が高い
- 一定の耐候性アップ → 色褪せ・酸化のスピードを抑える
下地処理(磨き)で艶を引き出し、その上にコーティングを施すことで、最大限にコーティングの性能を引き出すことができます。
もし汚れを溜めてしまっても、少し離れて見れば“綺麗に見える車”になります(笑)
まとめ
ガラスコーティングは万能ではありませんが、現実を理解して正しく使えば、愛車と気持ちよく長く付き合うための頼れるサポーターになります。
誇張された広告よりも、ちゃんと伝えてくれる専門店に相談してみてください。
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