はじめに
ミネラル分を除去した純水を使用した洗車を純水洗車と呼んでいます。
純水の宣伝で、『水シミ0!』『拭き取り不要!』といったのを目をしますが、それらは過剰宣伝であることを解説したいと思います。
水シミができる原因は?
そもそも水シミができる原因は分かりますか?
水シミは、ミネラル分(無機質:カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなど)が結晶化したものが、白く見えているものとなります。
※他にも稼働部などに触れた水に油やグリスが溶け込みできる油染みも水シミと呼ばれることがあります。
水道水には、こういったミネラルが溶け込んでいるため、拭き取らずに乾燥することで、水シミになってしまいます。
純水洗車の実際
理論上、純水にはミネラル分が無いので、洗車後に拭き上げをしなくても水シミができないです。
ただ実際は、洗車後の塗装面を完全に綺麗状態にすることは不可能です。
皆さんは、カーシャンプーの界面活性剤(泡)を完璧に流しきることが難しいことは知っていますか?
黒い塗装であれば分かりやすいですが、全部流したはずなのに水滴に泡が浮いていることが多々あります。
再度すすいでも、車両全体を完璧には流せていないでしょう。
そもそも、汚れを完全に除去することが不可能です。
洗車が好きな人は、SNS等で見ていると思いますが、通常の洗車で落ちない汚れを落とすために様々な道具やケミカルを使用した洗車などがあります。
ただ、それでも完全除去はできないです。
そうすると、そういった洗車後に残った成分や汚れが純水に溶け込むので、純水が純水ではなくなり水シミ発生します。
解決策は?
解決策は単純で、洗車後の純水を丁寧に拭き取りことです。
しかし、ブロワーを駆使しても隙間に入った水を完全に除去することは不可能です。
結果として、走行後に隙間から出た水で、水シミになることがあります。
私がオススメしている解決策は、絞ったマイクロファイバー(水道水でも問題ありません)を1枚取っておいて、洗車後の走行後に拭き取ることです。
一度走行して拭き取れば、ほぼほぼ隙間の水を除去できると思います。
特に「ミラー下」「ドアノブ下」「ドア下」は、稼働部に塗られている油分を含んでいるので、しっかり見ておいた方がいいです。
駐車場で洗車しておいておく場合には、各ドア下に折ったキッチンペーパーを置いておくという方法もありますが、これはマニア向けですね(笑)
純水は意味ないの?
もちろん純水は、水道水と比較した場合に発生する水シミは少ないし、水シミも比較的薄い様に感じます。(ここは主観)
なので、水道水を使用した洗車よりも気楽に洗車するためのものって、イメージした方が実情に近いと考えます。
新車から純水洗車を続ける意味は?
純水の販売メーカーやインフルエンサーによっては、「新車から純水で洗車を続けると水シミができない!」というところもあります。
理由は、雨にはミネラル分が無いので、水道水に触れない限り水シミができることが無いと。
しかし、考えてみて下さい。
塗装面には、「砂埃」「黄砂」色々なものが付着します。
鉱物は当然ミネラル分の塊です。
結果、雨に濡れることでミネラル分が溶け出し、乾燥することで水シミが形成されます。
水シミによる悪影響は?
塗装面に撥水性能があると「水玉型」の、親水だと「面」でうっすら白くなります。
水シミは、水分が乾燥してミネラル分が結晶化したものですが、洗車後1日程度(塗装面の温度等で変動)は結晶化が終わっていないので、絞ったマイクロファイバーで拭き取れば簡単に除去ができます。
ただ、完全に結晶化が進むと塗装面に簡単に除去できない水シミが形成されてしまいます。
さらに水シミを取らずに置いておくと、「水シミ汚れ(結晶化したミネラル)」が、雨に濡れて再度溶け出す。
それが、乾燥後に再結晶化します。
つまり、「結晶化」→「一部溶け出し」→「結晶化」→「一部溶け出し」→「結晶化」のサイクルを繰り返します。
さらに、ミネラル分は結晶化することで体積が増えるという特性があります。
ミネラルを含んだ水は、塗装面やコーティング面にある、見えない微細な隙間に入ります。
それが結晶化することで、体積が増えて、塗装面やコーティング面の隙間を押し広げる。
分かりましたか?
「結晶化」→「一部溶け出し」→「結晶化」のサイクルと体積増加による「塗装面の隙間の押し広げ」により、水シミによるダメージが「より広く」「より深く」入ってしまいます。
対策は?
・マメな洗車
・水シミが出来てしまった際には、早めにプロショップで除去
ここでプロショップで取ることを推奨しているのには理由があって、
メーカーの謳い文句や使用方法を鵜呑みにせずに、正しいケミカル洗車ができないと塗装面を傷めてしまうからです。
なので、ショップ選びも気をつけないといけなかったり…。
知識を持ってできる方は、DIYでケミカル洗車した方が安上がりでできると思います!
当社の洗車メニューはこちら
まとめ
純水洗車は、水シミ対策として非常に有効ですが、完全に防ぐ魔法の方法ではありません。
重要なのは、「洗車後の丁寧な拭き取り」と「早めの対応」です。
純水は、あくまでも補助的なものです。
手際のいい洗車とフォローができる場合には、水道水でも十分とも言えます。
だって、最近まで純水洗車なんて無かったのですから。
